宝石学会(日本)講演会要旨
平成25年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成25年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
埼玉県内に産出する鉱物・宝石
天然記念物緊急調査報告書より
*林 政彦安井 万奈山崎 淳司
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抄録
 埼玉県内で産出する鉱物種は,現在まで199種であり,ひすい輝石(ジェイダイト)も産出しているが,比較的大きな鉱物としては,方解石,スピネル,灰鉄石榴石などがある.方解石は透明な結晶が光学用として使われたという.現在では,セメントなどの材料として石灰岩(主として方解石)の採掘を,(株)ニッチツ秩父事業所(旧秩父鉱山)が採掘している.スピネルと灰鉄石榴石は,それぞれ青色と黄色の色調を示し,透明であれば宝石に十分使えそうである.これらは,堆積岩(秩父帯の石灰岩)にマグマが貫入して生成したスカルン鉱床中に見られる.現在の採掘の対象は結晶質石灰岩(大理石)であるが,かつては金,亜鉛,鉄などを目的にしていた.
 一方,江戸時代には,平賀源内が“石綿”を発見して燃えない布「火浣布」として製作したことが知られている.
 今回は,演者の一人である林が1999年~2001年に埼玉県教育委員会より委嘱された委員として実施した,天然記念物緊急調査の報告書を元に,宝石としての価値について報告する.なお,この調査は文化庁が全国の都道府県で実施したものであった.
 今回紹介する鉱物・宝石の産地は、日本ジオッパークの一つ、秩父ジオパークとなっている。このジオパーク構想はユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が始めたものである。
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© 2013 宝石学会(日本)
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