1995 年 68 巻 11 号 p. 802-807
ポリ塩化ビニル(PVC)-タルク配合系に, アルキル鎖長の異なる種々の飽和アルキル脂肪酸アミドを添加した結果, アルキル鎖長の増加とともに, 降伏点強度の上昇が見られた. PVC-タルク配合系にシラン系カップリング剤を添加したところ, アミノ基やメルカプト基を有するカップリング剤が降伏点強度の上昇に寄与することを見い出した.
分子内にアミド基とアミノ基, あるいはメルカプト基の両方を持つN-アセチルエチレンジアミン, N-アセチルシステアミンをPVC-タルク配合系に添加した結果, N-アセチルシステアミン1.0phr添加時に, 降伏点強度において8MPaの上昇を示し, これらの官能基を持つアミド化合物がPVC-タルク配合系の力学物性低下の抑制に有効であると思われる.