抄録
本報においては,イタリアン・ライグラス,ダリスグラスおよびローズグラスの再生における貯蔵物質の利用効率(再生利用率)に影響を及ぼす要因について考察した。1)再生時の温度と再生利用率との関係をみると,寒地型牧草と暖地型牧草とでは,異なった適温域が存在する。2)寒地型牧草は15〜20℃において,暖地型牧草は25〜30℃において高い再生利用率を示した。3)刈株のTACや窒素成分は再生利用率に直接には影響しない。4)再生利用率の良否に直接関与する植物体側の内的要因は,刈株の茎数,再生茎数,あるいは再生原基の活性ともいうべきものである。