抄録
砂床を用いた茎挿によるアルファルファの繁殖法を試み,あわせて,その品種間差異について比較,検討を行なった。供試品種には普通種群に属する4品種(Du Puits,Common,Williamsburg,Moapa),雑色種群に属する4品種(Grimm,Rambler,Rhizoma,Narragansett)の計8品種を用い,挿木後2週間目に挿穂の生存率,最長根長および根数について,また挿木後5週間目に挿穂の生存率,根数,挿穂の太さ,発根の性状,根重,挿穂重および葉重について調査を行なった。その結果つぎのとおりである。1.挿木後2週間目の挿穂の生存率ではRambler,Narragansett,Du Puits,Rhizoma,Williamsburg,Grimm,Common 7の品種が80%以上の生存率を示し,Moapaのみが74.0%と低かった。2.挿木後5週間目の挿穂の生存率ではRambler,Narragansett,Rhizoma,Du Puits,Williamsburgの5品種が80%以上の生存率で,そのほか3品種はGrimm 77.6%,Common 67.4%,と低かった。3.最長根長の分布ではDu Puits とRamblerの2品種に根長の長い個体が多く,そのほかの品種では顕著な傾向は認められなかった。4.発根の性状に各品種とも,大部分下部の切り口から発根していた。5.根重と各形質との相関々係を求めた結果,根重と葉重との間にγ=0.852の高い正の相関が認められ,根の生長と再生長との間に密接な関係があるものと思われる。