日本草地学会誌
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刈取後におけるチモシー球茎中の庶糖およびフルクトサン加水分解酵素の消長について
美濃 羊輔前田 寛蔵
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1976 年 22 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

刈取後の再生過程にあるチモシー(Phleum pratense,L.)の球茎中における炭水化物の変動ならびに庶糖(opt. pH5.0)およびフルクトサン加水分解酵素活性(opt. pH5.5)の消長について調べた。球茎の生重量は刈取後4日間はほとんど変化しなかったが,20日目にはもとの重量の約5/6になった。球茎中の全糖濃度は初日から減少し始め20日目において最初の約20%になった。蛋白質濃度は初めの12日間は増加したが,その後激減した。フルクトサン含量は除々に減少し,8日目から12日目にかけて急速に消失した。庶糖加水分解酵素活性は4日目と12日目にピークがあり,フルクトサン加水分解酵素活性は12日目においてのみピークとなった。このことよりフルクトサン加水分解酵素活性の増加とフルクトサン含量の減少との間には相関があるものと思われる。

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© 1976 著者
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