日本草地学会誌
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ラジノクローバの再生過程における共生窒素固定能の変動 : アセチレン還元法による調査
吉田 重方谷田沢 道彦
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1977 年 23 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

ラジノクローバの刈取後の再生過程における共生窒素固定能の変動をアセチレン還元法によって調査したところ,以下の知見を得た。1.ラジノクローバのアセチレン還元能は地上部の刈取処理により急激に低下し,その低下度合は刈取強度に対応していた。また,アセチレン還元能の最低値はいずれの刈取処理区においても刈取処理後2日目に現われた。2.ラジノクローバの再生植物体によるアセチレン還元能は地上部の再生に伴って上昇し,再生植物体全体あるいは単位新鮮地下部当りのアセチレン還元能は,それぞれ刈取処理後26日,16日後にほぼ無刈取植物の示す値まで回復した。3.ラジノクローバのアセチレン還元能は受光照度の低下に伴って低下したが,その低下度合は無刈取ラジノクローバに比べて再生ラジノクローバの方が著しかった。4.ラジノクローバのアセチレン還元能は明確な日変化を示さなかったが,暗黒処理はアセチレン還元能の低下をもたらし,ショ糖の葉面散布処理は上記の暗黒処理によるアセチレン還元能の低下に対して抑制的に働いた。

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© 1977 著者
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