日本草地学会誌
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サイレージ用麦類の収量・人工消化率の比較
西田 正義中野 尚夫
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1979 年 25 巻 1 号 p. 62-69

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抄録
6条皮麦(早生坊主),2条皮麦(ダイセンゴールド),裸麦(キカイハダカ),小麦(シラサギコムギ),エン麦(日向黒),ライ麦(ペトクーザ)を,水稲乾田直播栽培を行う水田の裏作期間に,埋草材料として栽培することを想定し,4〜5月に7回の刈取りを行って,DM収量,DMD%を茎葉穂に分けて調査した。なお出穂期は上に記した順序である。1.出穂期の早い麦のDM増加が,出穂期の遅い麦のDM増加に先行した。2.茎葉のDMD:は出穂前80〜90%で,以後急速に低下し,葉は70〜60%,茎は50〜40%になった。穂は登熟の進むに伴って,90%まであがった。全体のDMDは出穂前から低下し始め,穂の充実に伴ってわずかに上昇した。全体のDMDの高低は茎・葉・穂の重量割合と,それら自体のDMDの高低の,両者に影響される。キカイハダカのDMDが高く,ペトクーザのDMDが低かった。同一暦日でDMDを比較すると,調査期間の前半では晩生グループが,後半では早生グループが高かった。3.同一暦日でのDDM収量は,出穂期の早いものが遅いものより高かった。出穂後7回の刈取期でダイセンゴールドのDDM収量の高いことが多く,キカイハダカがこれに続いた。
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© 1979 著者
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