日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
Print ISSN : 0447-5933
ISSN-L : 0447-5933
草地群落における競争の変遷に関する研究 : 2.ペレニアルライグラスとトールフェスキュの混播初期生育群落における競争の進行と葉面積指数
山田 豊一渋谷 功
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1981 年 27 巻 1 号 p. 51-54

詳細
抄録
競争の開始時期や進行の程度をLAIにより一般的に示し得るかどうかを明らかにする目的で,ペレニアルライグラス(PRG)とトールフェスキュ(TF)を高低2水準の密度下で各単播および混播した。催芽下種後4〜11週にかけて個体の風乾重と葉面積を測り,さらにそれらの競争値と混播群落のLAIとを求めた。下種7週目頃よりPRGでは風乾重,葉面積とも混播区の値が単播区を凌駕し,逆にTFでは単播区の値を下まわって,PRGでは正の,TFでは負の競争効果が認められた。これは主としてPRGに対するTFの出芽,出葉のおくれによった。競争値とLAIの進移を対比すると競争はおよそLAIが1.5〜2.0に達する時期に開始されるものと推測される。その後LAIの増大にともない競争程度も進行するが,高密度の場合は密度効果が影響するためか両者の平行関係に乱れが生じた。
著者関連情報
© 1981 著者
前の記事 次の記事
feedback
Top