日本草地学会誌
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グリーンパニックの種子に関する研究 : XI.種子登熟時の気象条件が発芽に及ぼす影響
岡田 忠篤
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1986 年 31 巻 4 号 p. 371-376

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抄録
種子登熟時の気象条件のうち,発芽に大きな影響を及ぼすと考えられた温度,降雨様式及,び日射量を取上げ,これら3要因とグリーンパニックの種子の発芽との関係を調べた。登熟温度が29℃の場合は発芽が劣り,採種量も少なかった。登熟温度が25℃又は21℃の場合は優れた発芽状況を示した。登熟時の降雨は採種後約1年間の発芽率を高めたが,採種後約2年の発芽率は無雨の場合に大であった。降雨様式は発芽速度に関係し間欠降雨の場合に発芽が遅れた。遮光(日射量の減少)は採種後数か月間の発芽率を高めたが,強遮光(相対照度20%)は発芽を遅くした。3要因に共通する問題として,登熟時に立毛中の種子の乾燥が緩やかであるとき採種後数か月間の発芽率が高まり,採種直後の種子の乾燥におけると同様の現象が認められた。グリーンパニックの採種に好適な温度は日平均気温で25±2℃とするなど,圃場での経験を加味して採種適地の推定を行った。
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© 1986 著者
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