2000 年 46 巻 3-4 号 p. 242-248
ローズグラス4倍体品種の品種間および品種内変異を明らかにするために, 5品種69個体を用いてAFLP分析を行った。3ヌクレオチド付加のEcoRIとMselの4プライマー組み合わせを用いてAFLP分析を行った結果, 合計で227本のバンドが得られ, うち92.5%が品種間で多型を示し, 品種間でDNAレベルでの大きな遺伝的変異が認められた。得られた多型から作成された系統樹から, 供試個体は58%〜85%の遺伝的類似性を示すことが明らかになった。品種間の類似性をみると, カリーデは形態的, 農業的特性から推測されたように他の品種との類似度が最も低かった。品種内の変異度は, カリーデで最も大きく, ポコットで最も小さかった。これらの結果から, AFLP分析はローズグラスの遺伝的特徴の把握や育種目的のために利用するのに効果的な手法であると考えられる。