抄録
リードカナリーグラスを良質サイレージに調製することを目的に, セルラーゼ(AC), 酵素入り乳酸菌製剤 (SL) の添加および予乾処理が発酵品質の改善に及ぼす影響, ならびに, 発酵初期の嫌気条件を確立するためのCO_2添加の効果を比較検討した。リードカナリーグラスサイレージのpHはACおよびSLの添加により目立って低下し, とくにAC 0.05区では4.07まで低下した。乳酸含有率はACおよびSLの添加によって増加し, 特にAC0.05区では8.95%に達した。揮発性塩基態窒素 (VBN) 含有率はACおよびSLの添加により低下したが有意ではなかった。本研究の結果より, リードカナリーグラスを材料草としてサイレージを調製する場合にはACおよびSLの添加がサイレージの発酵品質を改善することが明らかとなった。CO_2の添加および予乾の効果は見られなかった。