日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
Print ISSN : 0447-5933
ISSN-L : 0447-5933
飼料イネ用カッティングロールベーラの開発
浦川 修司吉村 雄志
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2003 年 49 巻 1 号 p. 43-48

詳細
抄録

水田におけるイネホールクロップサイレージ用カッティングロールベーラを開発した。本機は自脱型コンバインの走行部,刈取り・搬送部を利用し,脱穀装置の替わりにベール成形室を搭載した自走式ダイレクトカット方式のロールベーラである。本機の特徴はベールの高密度化と解体作業の省力化を目的に,ベール成形室の前部に切断装置(ディスクカッター)を組み込んだことにあり,切断刃間隔を穂先側210mm、株側150mmに設定した場合,平均切断長は197mmであった。また、自脱型コンバインの刈取り・搬送部をそのまま利用していることから,ベール内に穂部が偏る傾向があり、オーガ方式による撹拌を検討したが,穂部を完全に混合するには至らなかった。但し,ベールの形状からみた成形精度は良好であった。含水率60%の飼料イネを収穫・梱包した場合のベール質量は約250kgであり,切断にともなう損失率はラッピング作業を含めても6.5%であった。また,30a区画圃場における作業能率は約22分/10aであった。

著者関連情報
© 2003 著者
前の記事 次の記事
feedback
Top