2004 年 49 巻 6 号 p. 629-634
刈り取時期を異にして調製した3種類のチモシー乾草(A,B,C)の飼養試験を4頭の乳牛を用いて実施した。乾草は自由採食とし,市販乳牛用配合飼料を1日1頭当たり乾物で4.9kgの制限給与とした。乾草のTDN含量は乾物中,59.5%(乾草A),55.8%(乾草B)および50.6%(乾草C)と評価され,乾物摂取量は乾草Cの8.5kgから,乾草Aの10.3kgと変動した。本報告では乾草の相対的な評価手法として,乾草Aに対する乾草B,Cの摂取TDN量の比率を採用したが,その値は乾草Bで85%,乾草Cでは69%であった。また,平均乳量は乾草Aが17.8kg,乾草Bが16.4kg,乾草Cが14.6kgであり,その差は有意(p<0.05)であった。乳糖と乳蛋白質の生産量では乾草Aが乾草Bに比して有意に高い値を示したが,その理由は乾草間の摂取可消化炭水化物の相違に由来すると考察した。