日本草地学会誌
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放牧飼養時におけるビートパルプ給与がルーメン内窒素利用および十二指腸へのアミノ酸供給に及ぼす影響
艾比布拉伊爪木 伊馬木花田 正明岡本 明治
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2004 年 49 巻 6 号 p. 623-628

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抄録

放牧飼養している去勢牛への併給飼料としてビートパルプを給与し,ルーメン内におけるN化合物の利用および小腸への非アンモニア態Nやアミノ酸供給量に及ぼす影響について検討した。ルーメンと十二指腸にカニューレを装着した3頭の去勢牛をオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)草地に昼夜放牧させ,併給飼料としてビートパルプを供試牛の代謝体重あたり0,15,30g/日給与する3処理区(BP0,BP15,BP30)において,3×3のラテン方格法により試験を行った。草地をパドックに分け,滞牧日数が1日の輪換放牧をした。草地からのOM摂取量はビートパルプの給与により減少したが,全飼料からのOM摂取量は処理間に差はみられなかった。Nとアミノ酸の摂取量はビートパルプの給与により減少した。ルーメン内容液中のアンモニア濃度はBP0区に比べBP30区で有意に減少した(P<0.05)。十二指腸への非アンモニア態Nやアミノ酸の移行量は処理間に差はなかったが,ビートパルプの給与によりルーメン壁からのN消失量が減少し,摂取量に対する十二指腸への非アンモニア態Nおよびアミノ酸移行量の割合は高くなった。

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© 2004 著者
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