北海道農業試験場で育成した9品種・系統と1外国品種の収量性に基づき,北海道内の5つの系統適応性検定試験場所は多雪の天北農試・北農試・新得畜試と少雪・上壌凍結の根釧・北見農試の2つに分けられた。一方,用いた10品種・系統は多雪の3場所で比較的多収となる「タイセツ」などの品種と少雪・土壌凍結の2場所で多収となる「レッドヘッド」などの品種に分けることができた。「タイセツ」などの品種は2番草以降の生育が比較的小さく,「レッドヘッド」などの品種は生育が旺盛という特徴を持っていた。収量性から見た品種の地域適応性の違いは,多雪の地帯でよく発生する菌核病に対し,「レッドヘッド」などの品種で抵抗性が低いことが原因と推定された。