抄録
イネ科野草の葉部の垂直分布と放牧牛の捕捉高との関係を明らかにするため,6-7月(夏)および9月(秋)に,ススキ,イマキザサ,アズマネザサおよびノガリヤス葉部の現存量,空間密度および牛によるバイト数割合の経時変化を層別に調べた。葉部空間密度は,葉部現存量の垂直分布の特徴をよく表しており,草種および季節によって異なった。これに応じて,放牧牛は,葉部空間密度の高い層から多く捕捉した。しかし秋の滞牧初期にはその傾向は弱かったことから,この時期には現存量以外に草質など他の要因に反応して選択採食している可能性が示唆された。また本研究より,イネ科野草の葉部現存量の推定に対する葉部空間密度の有効性が示された。