草地更新時に暗渠埋設,心土破砕,深耕などの土地改良を実施すること,さらに大量の堆肥を土壌へすき込み混和することが,更新後の草地の牧草生産に果たす意義を明らかにするため,物理性が劣悪である重粘土に立地する経年草地において8年間にわたって試験を実施した。その結果,土地改良だけでは,更新後の草地における収量や牧草のN吸収などを増加させる効果を認めることができなかった。土地改良に加えて,最大80t/10aまでの大量の堆肥を更新時に土壌へすき込み混和すると,著しく牧草のN吸収が増加し,それに対応して増収した。しかし,この効果は化学肥料による養分施与量を多くすることで再現できた。したがって,本試験で実施した堆肥大量施与処理が牧草生産やN吸収におよぼす効果は,養分的効果として理解でき,それ以外の土壌の物理性改善による効果があるとは指摘できなかった。