日本草地学会誌
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研究報告
最新の気象予測データに基づく関東地域におけるトウモロコシ(Zea mays L.)二期作適地の変化予測
菅野 勉森田 聡一郎佐々木 寛幸西村 和志西森 基貴
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2017 年 63 巻 2 号 p. 81-88

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抄録

気候モデルをMRI-CGCM3,排出シナリオをRCP4.5とした場合の最新の予測データを用いて2040年(2031-2050年平均)および2090年(2081-2100年平均)におけるトウモロコシ二期作栽培適地の拡大予測を行った。また,既報(菅野ら2014)で策定された10℃基準有効積算温度2,300℃以上という指標のほか,高品質のサイレージ調製が可能になる条件として,1作目・2作目ともにトウモロコシの全植物体乾物率が30%前後となる条件として10℃基準有効積算温度2,530℃以上という条件を新たな適地判定指標として,栽培適地の拡大予測を行った。その結果,2040年は関東地域の年平均気温が現在よりも1.29℃上昇することが予測され,関東地域の全3次メッシュ(約1km×1km)に対し1月から12月の10℃基準有効積算温度が2,300℃以上となる栽培適地のメッシュ数割合は37.78%,同積算温度2,530℃以上のメッシュ数割合は12.87%に増加することが予測された。2090年は関東地域の年平均気温が現在よりも2.21℃上昇することが予測され,同積算温度2,300℃以上の栽培適地メッシュ数割合は54.15%,同積算温度2,530℃以上のメッシュ数割合は40.27%に増加することが予測された。こうした変化にともない,2090年頃までに関東地域の低標高地のほとんどが二期作の栽培適地になることが予測された。

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© 2017 日本草地学会
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