1961 年 7 巻 2-3 号 p. 127-130
オーチャードグラスの出葉型式と出葉速度について,水稲の場合と対比しながら調査を行い,オーチャードグラスの出葉速度が季節的にどのように変動するか,さらにそれが時期別の成育収量の変化とどういう関係があるかについて考察した。1.出葉型式については,水稲では抽出葉が完全に展開した後に,つぎの新葉身が葉鞘からあらわれるが,オーチャードグラスでは,抽出葉が完全に伸長する以前にあらわれるために,2枚の葉が同時に伸長する。そしてその関係は伸長中の葉が前の完全展開葉の長さの6割に達した時新らしい葉が現われる。この出葉型式は年間変らなかつた。2.オーチャードグラスの出葉速度は成育時期によつてかなり異なり,出葉間隔を示すbの値は2番草では5.9日,3番草で々ま8.7日,4番草では7.2日であった。出葉速度は晩春から初夏に早く,夏期ではおそくなり,初秋になるとやや回復する。この出葉速度は各時期におけるオーチャードグラスの成育収量の変化とよく一致する