本稿は,2006年の介護保険制度改正に伴い新設された地域密着型サービスの地域差の実態とその要因について明らかにした.地域密着型サービスの地域差は,従来の介護保険サービスに比べて大きく,小規模市町村を中心としたサービスの未実施市町村と,充足指数の高い人口1~5万人程度の中規模町村の存在が要因となって生じていた.サービスの未実施市町村は小規模市町村に多いが,これは市町村による整備目標の未設定という,市町村の意向が反映された結果である.一方で大都市圏の中核都市では整備目標を設定したにもかかわらず,事業の採算性を考慮した事業者の消極的な参入という,事業者の地域的な参入行動が大きく影響していた.このように,サービスの地域差には市町村施策が少なからず影響しているものの,最終的なサービス供給量を規定している事業者の参入行動が大きな影響を与えていることが明らかとなった.