地理学評論 Series A
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短報
平成24年(2012年)7月九州北部豪雨に伴う阿蘇火山地域での土砂生産量の推定──UAVとSfM多視点ステレオ写真測量を用いた高精細地形データの活用──
齋藤 仁内山 庄一郎小花和 宏之早川 裕弌
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2016 年 89 巻 6 号 p. 347-359

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抄録

近年,小型の無人航空機とSfM多視点ステレオ写真測量により解像度1m以下の高精細な空中写真と地形データの取得が可能になり,地理学の分野においてもそれらの利用が急速に進んでいる.本研究の目的は,これらの技術を表層崩壊地の地形解析に応用し,詳細な表層崩壊地の空間分布と土砂生産量を明らかにすることである.対象地域は,2012年7月九州北部豪雨に伴い多数の表層崩壊が発生した阿蘇カルデラ壁の妻子ヶ鼻地域と,中央火口丘の仙酔峡地域である.結果,空間解像度0.04mのオルソ画像,および0.10mと0.16mのDigital Surface Modelsが得られた.妻子ヶ鼻地域と仙酔峡地域における土砂生産量は,それぞれ4.84×105m3/km2と1.22×105m3/km2であった.これらの値は過去に報告された同地域の表層崩壊事例の土砂生産量よりも10倍程度大きい値であり,阿蘇火山の草地斜面における1回の豪雨に伴う潜在的な土砂生産量を示すと考えられる.

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© 2016 公益社団法人日本地理学会
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