地理学評論 Series A
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論説
名古屋市那古野地区における街路への鉢植えのあふれ出しと住民管理
山本 晴奈
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2017 年 90 巻 2 号 p. 86-104

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抄録

鉢植えの緑は都市の路地空間の緑化に貢献するが,規模が小さくその分布を広域的にとらえることは難しい.本稿では,名古屋市那古野地区において敷地外に置かれた「あふれ出し」の鉢植えの分布を調査し,道路幅員との関係,および住民による鉢植えの管理や住民間の交流との関係を明らかにした.その結果,(1)幅員4m以下の路地では敷地の内と外のいずれかに設置場所が二極化するのに対し,幅員4~8mではその両方に並置するケースが増加し,幅員10m以上では地先への設置が多く見られた.(2)街路へのあふれ出しには交通に用いられない空間(デッドスペース)を利用していた.(3)設置者は,周辺住民との交流や各自の生活習慣に合わせて鉢植えの可動性を活かした柔軟な管理を行っていた.以上から,特に広幅員街路では,狭幅員の路地と同等かそれ以上の規模のあふれ出しが見られると同時に,多様な住民間の交流を通じて管理されていることが明らかとなった.

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