地理学評論 Series A
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論説
ジェントリフィケーションの過程からみた文化・消費の役割――旧西ベルリン市ノイケルン区ロイター街区を事例として――
池田 真利子
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2018 年 91 巻 4 号 p. 281-310

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抄録

本研究の目的は旧西ベルリン市インナーシティ,ノイケルン区ロイター街区におけるジェントリフィケーションの複合的過程を明らかにすることである.まず,ジェントリフィケーション指標モデルを援用し,機能・社会・構造・シンボルの各価値上昇を検証した.次に2000年代後半から増加した新利用(アート関連利用・新しい小売業・新しいサービス業)の地理的特徴や建造年代との関係性を明らかにした.また,新利用の事業主に対する聞取り調査からは,対象地域の商業環境の変化と要因を明らかにした.その結果,対象地域は初期に再活性化の様相を呈していたがジェントリフィケーションへと変容した点,シンボル的価値上昇がそのほかの価値上昇を誘発する点,中でもカフェ・バー,レストランのシーンガストロノミーがナイトライフ街区形成を促す点,それらが商業環境の変容に寄与する点から,ジェントリフィケーションにおいて文化・消費の役割が大きいことを示した.

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© 2018 社団法人日本地理学会
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