日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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モデル塩生植物Thellungiella halophilaの完全長cDNAライブラリーの作製
*太治 輝昭櫻井 哲也関 原明坂田 洋一田中 重雄篠崎 一雄
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p. 489

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抄録
塩生植物Thellungiella halophilaは、塩腺などの耐塩性に特異的な形態を持たない、モデル植物Arabidopsis thaliana近縁の塩生植物である。T.halophilaは極度の耐塩性を持つほか、凍結ストレス、酸化ストレス、さらには高温ストレスに対しても顕著な耐性を示すことから、植物の非生物ストレスを対象とする非常に有用な遺伝資源と言える。そこで我々はT.halophilaの様々な発生過程の葉、根、鞘、種子、あるいは、塩、凍結、低温ストレスおよびABAを処理した植物体を用いて、20000クローンを含む完全長cDNAライブラリーを作製した。20000クローンについて、5’および3’末端よりシークエンスを行ったところ、計35171配列を得た。これらをアセンブリーツールcap3で処理後、クラスタリングを行った結果、9565の独立したクローンを含むことが明らかとなった。なお、完全長率については88%と、これまでに報告される生物種の完全長cDNAと同等であった。本大会では、このT.halophila完全長cDNAライブラリーの評価をA.thalianaと比較して報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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