地理学評論
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武藏野臺地東部大泉,保谷附近臺地の淺い窪地地形
吉村 信吉
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1943 年 19 巻 5 号 p. 239-256

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抄録
1. 東京新市域の北西端保谷,大泉附近の平坦な臺地には崖端侵蝕谷とは趣を異にする側壁の緩い淺い窪地があり,その中には淺い凹陷地があることが少くない。
2. 窪地は崖端侵蝕谷のやうに下流から上流に向つての侵蝕の結果としては説明することが困難である。
3. 窪地の谷頭附近には局部的に地下水面の淺い宙水や地下水堆がある。これらは局部的に發達する粘土層によつて地中の透水性を減ずるためであらう。窪地中流以下にはかやうな淺水域を缺き,谷頭附近でも窪地よりも淺水域の方が廣いのが普通である。
4. 淺水域は滲透が不完全であるから豪雨後野水が出てそこから侵蝕が始まる。しかし流水は淺水域を過ぎ去ると滲透によつて次第に水量を減じ谷は淺く狭くなることが多い。
5. 窪地中に局部的にある凹陷地の成因は明かでない。
6. 淺い窪地から崖端侵蝕谷を生ずる可能性を説いた。
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