日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P3-28
会議情報

ポスター発表3 知覚・感性,感情・動機
無意識的な感情処理は空間と感情の概念的連合を活性化させるか?
*佐々木 恭志郎山田 祐樹三浦 佳世
著者情報
キーワード: 身体化認知, 意識, 感情
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

感情は身体空間と連合しており,快感情は上方向へ,不快感情は下方向へのバイアスを身体動作に与えるというような感情による身体感覚の変容が生じる。本研究では,このような身体感覚の変容が,無意識に処理された感情情報でも起こるのかを検討した。感情刺激を意識から除去するために,本研究では連続フラッシュ抑制を利用した。参加者は,感情を喚起する画像刺激 (快,不快,中性) を2500 ms観察した後,画面上のドットをジョイスティックにより任意の位置に移動させることを求められた。刺激呈示条件はマスク有条件とマスク無条件の二種類であった。実験の結果,マスク無条件において,快画像観察後の方が,不快画像観察後に比べて,ドットの平均位置は有意に高かった。一方,マスク有条件ではこのような効果は消失した。これら結果は,身体空間と感情の概念的連合の賦活には,意識的にアクセス可能な感情情報が必要であることを示唆する。

著者関連情報
© 2014 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top