地理学評論
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破砕帯の形成に関する予察
金子 史朗
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1957 年 30 巻 8 号 p. 684-696

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抄録
第三,第四系の基盤をなし,これに構造的擾乱を与えている中・古生界の破砕帯を取上げ,構造および形成過程を検討した.破砕帯を特色づける構造として石墨状破砕部,レンズ状構造および全面的珪化現象が上げられるが.これらは強力なストレス下で,地質環境のうえでは深層において,層面摺動等を基本とする運動により形成されたものと解釈され,従来の断層の概念とは異るものである.破砕帯形成の歴史からみると,第四紀における破砕帯の再活動は-多くスラスト的であるが-破砕帯の崩壊ないし分裂を表わしている.
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