2019 年 12 巻 3 号 p. 189-193
クレーン等の建設機械を用いた作業では,クレーン等の近傍に送配電線が架設されている場合には,誤ってクレーンのブームやつりワイヤが送配電線に接触しての感電災害が発生することがある.このような感電災害の防止にはクレーン等と送配電線との適切な離隔距離の設定が必要であるため,日本を始めとして諸外国(イギリス,アメリカ,オーストラリア)で離隔距離が規定されている。これらの規程において、同一の電圧に対して離隔距離に差異はあるものの,大きな差は無く,電圧が高くなると離隔距離も長くなる傾向である.また,クレーン等と送配電線との接触防止のための対策技術として,接近警報装置,作業範囲制限装置,レーザース キャンによる測定システム,監視カメラ,3Dクレーンブーム監視システムがある.