抄録
市町村の行政単位に基く人口密度図にかえ,自然的な地域単位による人口密度図の作成を意図し,日本全土を地形によつて地域区分し,区分された地形区について人口密度を求めた.
1) 地形区分:地形の形態的・成因的分類により山地・火山地・丘陵・山麓・火山麓・台地・低地に地域区分し,面積を20万分1図上でプラニメーターを用いて計測した. 2) 地形区の人口計算:市町村別人口を地形区の人口に組替える.市町村の単位が2つ以上の地形区にまたがる場合はドツトマツプを基礎として人口配分を行う.ただし市街地の人口は地形区の人口計算から除外する. 3) 日本の地形別人口密度数値を第2表に示す通り得た.また同種の地形における地方的な特色を人口密度数値および頻度表グラフから把握した.これは第2表および第3図に示す. 4) 人口密度数値の地方的な差が大きい丘陵・台地・低地について密度数値をそれぞれ3分し,日本における低密度地域,標準密度地域,高密度地形の分布を第4図に示す通り得た.