地理学評論
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宇部市周辺海域の沖積統下底面の地形
松本 繁樹
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1961 年 34 巻 11 号 p. 596-609

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抄録
宇部市周辺の海域の200本以上におよぶ試錐資料を検討した結果,この海域の沖積統下底面の地形は次のように要約される.
(1) 厚東川の河口からその南方にかけての海域では,沖積統下底に埋没している礫層の上限面は-20~-35.7mに認められ,沖側にむけてほぼ一定の勾配で低下している.これを沖積統基底面と考える.当時の厚東川の曲流帯は,東西両側を比高10~15mの急崖でかぎられてVいた.
(2) 厚狭・有帆両川の河口では,沖積統基底面は-14~-17mにあり,厚東川河口部とは6m前後の深度差を示している。両河口部におけるこの深度差は,最終氷期の低位海面時における同一水系の河口からの距離と勾配を反映しているものである.(3)東方海域の宇部岬沖の沖積統下底面 (-6~-14m) は,海成段丘面と考えられる.その形成時代は沖積統基底面以前であり,陸上の海成段丘とほぼ同時かないしはそれ以後と考えられる.
(4) Stegodon orientalis OWENを産出した堆積層は,本海域の80~160mにおよぶことのある単一な厚泥層に一致している.瀬戸内面の形成はこの泥層を堆積せしめた時代的rangeの中にあてはめるべきで,時代的にはI2に相当する.
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