抄録
中国山地に発達しているペディメントのうち, 3段の侵蝕平坦面の境に発達しているそれにっいて検討したが,結果は次のようである.
(1) ペディメントは比高のある崖の前面で,しかもペディメントの部分が花崗岩類で構成されており,背後急斜面の頂上部,あるいは大部分が硬岩層で構成されている所に発達しており,岩石の種類・配置によつて制約されている.
(2) 背後急斜面とペディメントの間には傾斜の不連続部がある.
(3) ほとんどのペディメントが小谷によつて開析されており,現在ではペディメントは発達していない.
(4) ペディメント上はすべて角礫ないし亜角礫が花崗岩の風化土壌をマトリックスとして堆積しており,その中に不規則にシルト層が堆積していることがある.
(5) ペディメントは急斜面が風化作用・重力の働き・雨水の働きにより後退してその概形が形成され,礫の移動によりさらに侵蝕されたと考えられる.礫の移動は主に重力の働きによるのではなく,流水の働きによつた.
(6) ペディメント形成当時の気候はおそらく,現在より,より乾燥した気候であつたであろう.