地理学評論
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オーストリアの工業化と産業構造
シャイドル レオボルド
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1961 年 34 巻 4 号 p. 222-228

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抄録
本論文はオーストリア連邦共和国の概観,天然資源(農林・地下資源・水力),交通,貿易,市場の立地条件の記述に始まり,工業生産の分布についてまとめ,ついでオーストリア各州の工業構成を分析したものである.この中で興味ある事実は31),オーストリアがルーマニア,ドイツについで石油産出国であり,天然ガス(石油性)の産出も非常に増加していること,鉄鉱石,マンガンの産額が需要の4分の3を満たしていること,水力電気も豊富で,生産電力の10%を輸出するほど豊富であることである.労働力も十分あり,産業開発が主として西部において行われたために,労働力が東から西へと移動をみている.鉄鋼,アルミ,化学工業は戦前から発達していたが,戦後に復興と設備の更新が行われると共に,主要産業の国有化が行われた.リンツにあるVÖEST製鉄所と,レーベン・ドナウィツ(上スティリア)のÖAMG製鉄所を合せた銑鉄(184万トン),粗銅(252万トン),ロール製造(172万トン)(以上1959年統計)は,オーストリアをしてヨーロッパ内での有力な産鉄国としている.アルミ製造に関してもヨーロッパで最大の工場の一つを持つている.またオーストリアのレンツィンク・スフ会社は,同種のものではヨーロッパ最大の工場を持ち,スフ生産(5.23万トン)の60%を輸出している.
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