抄録
1. はしがき 2. 地理学と教科地理学との区別,現状叙述の地理科から考える地理教科へ. 3, 4. 地理教育書を通じてみる地理学の方法,本質論は地理学者の考えそのものではない. 5. 地理学の本質・方法論は先ず,われわれが主張すべきことがらを話合ってしぼるべきである. 6. 地理学は自然科学的方法で研究している.それが学校教育で社会科に入ったのは教員養成の歴史的遺産である. 7. 内外の専門学修用の地理学書は事象項目の羅列・並列方式でありこれ以外に方式はないか. 8. 事象の分布規模の大小による配列方式はどうか. 9. 地理学者は事象を分布・配置の面から取り上げている. 10. 地理学の仮定条件としての均等分布・配置の原理と安定の法則について. 11. 地理学者は (10) を根底に考え,表面には不均等配置・不安定の原理・法則によって研究を行なっている.地誌的即地的研究はこの現われである, 12, 13. 地域的地誌的研究は体系的系統的地理学へ通じる道程にあり,地理学と地誌学とは対立させるべきでない. 14, 15. 地理学の体系は易から難へ,簡から煩へと,積み重ね方式の階梯をつくり,各階段に,人文・自然の事象を入れて作る方式を考えたらどうだろう. 16. 分布図そのものについての性質・解析の研究が必要である. 17. 学校地理学以外に,社会の要求に応じる研究を行うべきである.