抄録
1962-1965の地理学報(中国地理学会機関雑誌)掲載論文の性格から, 2つの大きな動向がくみとれる. 1は国土の自然環境の研究に重点が移ったことである.しかしこれは戦後にはじまった動向であり,これに対しては1つにはソ連地理学の影響が考えられる.ところがソ連との間が不和になった上記の期間のものにおいても,この傾向は一層助長されていて,ことに気候環境に関する研究が圧倒的に多い.このことから中国における地理学研究の役割,ことに現代の中国では,国家的に,社会的に,どういう方面の地理学研究が最も求められているかの見当がつく.