抄録
十勝川下流域には6段の段丘のほか,1段の埋積段丘及び埋積谷の存在が,電気探査及び試錐で確められた.段丘は形成順にI, II, III, IV, V, 埋積段丘, VI段丘と呼ぶ.一般に全段丘を通じて古い段丘ほど,増傾斜している,第5段丘より高位の段丘は洪積火山灰で覆われているが,第6段丘は覆われていない.第5段丘はその堆積層から恐らく襟裳火山灰(洪積火山灰)降下時期と前後して形成されたものであり,第6段丘は沖積段丘と考えられる.埋積段丘については確認出来なかったが,その形成時期は第5段丘の直後であろう.埋積谷は深度-60mに達し,十数mの基底礫層を有している.第4段丘堆積層からこの基底礫層までは,安山岩の礫の比率が第3段丘堆積層以前に比べ急激に増加している.従って,第3段丘形成後,第4段丘形成前から,十勝川上流域の新規火山の生成が盛んになったものと推定できる.