地理学評論
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阿讃山地のPediment
赤木 祥彦
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1967 年 40 巻 10 号 p. 543-552

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抄録

阿讃山地に発達するPedimentを検討した結果はつぎのとおりである.
1) Pedimentの発達は地質的には花崗岩の上に讃岐層群が位置することが条件となっている.しかしこれは必要条件ではあるが十分条件ではなく,さらにこれら二つの岩質の境がある高度より高いこと,斜面の侵蝕基準面が安定していることがあげられる.
2) 花崗岩と讃岐層群との境がある高度より低くなるといわゆるtalus slopeが直接段丘やその他の下位の面に続きPedimentはみられなくなり,反対にこの境が高くなるほどPedimentは大きくなっている.
3) 花崗岩類中にホルンヘルスの砂岩などが狭在し,これが鋭敏にPedimentに影響しPedimentが乱されている部分がかなりみられる.
4) 斜面の四要素である山頂平坦面, free face, talus slope, pedimentが明瞭に発達している.
5) Pedimentは瀬戸内沿岸部で標高約40mの段丘に続いており, Pedimentの形成時代はこれらの段丘の形成された時代と時期的に重なる部分があったか,あまり離れない時代に形成された.

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