地理学評論
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海岸段丘からみた三陸リアス海岸の発達
三浦 修
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1968 年 41 巻 12 号 p. 732-747

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抄録
三陸リアス海岸の発達史は,海岸段丘形成の開始を境として,リアス原形形成の時代と原形修飾期・新しいリアスの形成の時代とに区分される.原形形成の時代は鮮新世末-第四紀初期に,段丘形成の時代は第四紀に属する.主湾内にとくに後半に形成された段丘には離水・沈水の海面変化の証拠が明瞭に残されている.この間段丘面を切る新たなリアスができた.現海面下の溺れ谷は最終氷期海退と後氷期海進によってできたが,三陸リアス海岸はこの溺れ谷のみで,その特徴を示しているのではない.原形の時代からの発達史全体の中にこそ性格づけられる.北部の著しい隆起海岸との比較から,リアス海岸は第四紀には一様な造陸的地盤運動を上廻る地域的地盤運動はなかった.
海岸段丘は5段に区分され(高位から第1段丘~第5段丘とする),第4段丘はRiss-Würm間氷期の形成と考えられる.また,第2段丘堆積物中の巨礫や第5段丘などは広域的対比を考えるとき注目される.
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