抄録
20世紀の前半,とくに1920年から1940年ごろにかけて,北半球の各地で気温の上昇が認められたがその後再び下降に転じていることが報ぜられている.日本では前に荒川秀俊によって温暖化の現象が確認されたが1935年までで終っているので,ここではその後の30年間を対象として調べた結果,前期をはるかに越える顕著な上昇が認められた以外に,地球上全般的に見られる最近の気温低下は日本ではずっとおくれて現われ,それも比較的少数の地点に限られ,その量も極めて微弱であることなどが明らかになった.また北半球の同緯度帯における変化との比較を行なったが,これらの気温上昇には都市の膨脹発展にともなう人為的の影響もかなり含まれているので,これについての考察を行ない,都市の規模と昇温率との関係,人口増加と昇温量との関係や都市温度に対する烟塵説についての検討などを行なった.