地理学評論
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中心地の配置から見た地域秩序
服部 〓二郎
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1969 年 42 巻 2 号 p. 106-122

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抄録

人間が生活を営む地域社会には・必然的に中心地 (Central Place) が成立する.それは,人間が社会的動物であるからに外ならない.人間社会は,経済的にも,社会的にも,人間同志の接触を通して進化・成長・拡大してきた.地域住民がおりなす生産・流通・交易・交際・行楽などの社会経済的接触行為は,ある限られた場所で行われている・それがすなわち地域の核としての中心地なのである.その空間配置と変化の傾向には一定の秩序が存在している.
中心地が成立し,成長するプロセスを.市化と考えるなら,.市化の原点である.市の配置と都市化の進行状況には,おのずから空間的時間的に一定のリズムと配置態様の型が存在するはずである.このような発想を日本列島における.市配置と.市化過程に適応するならば,核化・都市化・巨大.市化・巨帯.市化という4つの規模段階と進化内容とを異にした集中拡大過程のあることが指摘される.

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