地理学評論
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東京集乳圏における酪農地域の空間構造
斎藤 功
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1971 年 44 巻 4 号 p. 271-283

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抄録
1. 酪農と乳業会社によって構成されるアグリ・ビジネスとしての牛乳産業にarealfunctionalorgani-zationの考え方を適用して東京集乳圏を画定した.飲用牛乳は酪農家→部落集乳所→クーラー・ステーション→東京市乳工場へと流れ,それぞれの中枢的機関が下位の機能単位を包摂して集乳圏を構成した.東京市乳工場はいくつかのクーラー・ステーションの第2次集乳圏を包摂して第3次集乳圏を構成し,1乳業会社は各市乳工場を統括して第4次集乳圏を構城する.東京集乳圏は企業群によって構成される第5次集乳圏であることが,あきらかになった.
2. 集乳機構の地域差にもとついて機能的酪農地域を3つに区分した.その結果,東京集乳圏における酪農地域は同心円構造を示すことが明確になった.第1地域は酪農家から直接市乳工場に牛乳を持込む範囲で,多くの東京市乳工場と専業酪農家が存在し,近郊酪農が行なわれている.第H地域は酪農家がクーラー・ステーションに牛乳を持込む地域で,多くのクーラー・ステーションと多頭育酪農家が存在する.第皿地域は酪農家→部落集乳所→クーラー・ステーション→東京市乳工場の牛乳輸送を示し,最大の牛乳生産地域である.
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