抄録
千葉県は,西は大都市東京に,北は鹿島工業地帯に隣接し,またみずからも京葉工業地帯のなかにあり,工業化を中心とする経済発展の動きの中で,農業の変動が激しく行なわれている.
九十九里浜平野における施設園芸は,その温暖な気候とめぐまれた土質などの自然的条件や,農業技術の進歩と相まって,千葉県の経済発展のその動きの中で形成されてきた.その実際を概観すると,平野は北部・中部・南部の三地域に区分でき,それぞれの形成過程には大きな差異がある.
筆者は,伝統の歴史のうえに,国や地方公共団体の事業や公共投資による大規模な農政施策が,計画的に農業の地域構造を変革せしめることを想定して,九十九里南部一宮町における施設園芸を事例としてとりあげ,その実態を明らかにした.トマトとキュウリの1年2作を栽培形態とする一宮町平野部の施設園芸は,第1次農業構造改善事業によって施設園芸主産地形成(集約的農業地域形成)が進められ,第2次計画によってさらに充実した生産地になることが予想される.