地理学評論
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四国山岳地方における土地利用と山村の変貌
相馬 正胤
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1971 年 44 巻 4 号 p. 301-318

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抄録
地域の変貌を進化の運動形態として捉え,山村地域の実体に迫ろうとした。
人口減少の動向から,四国山岳地方の東西を対比する.みつまた栽培を通じて,地域分化の様相を東部・西部比較しつつ考察した.西部の春焼式焼畑地域は解体し,高位置の林業地域と低位置の農耕地域とに分化しつつある。
林業地:域形成の営力を明らかにするため,公営事業滲透の事情と森林組合労務組織の意義・役割とについて述べた。
林地の開発を刺戟するChannelは新設の交通路線である.このような交通路が四国山地の分水嶺を横断する部分において,林業開発は誘発される.高知県本川村を対象に,林業労働を通じて,村が林業地域に編入されてゆく過程を捉えようとした。
地域の変貌をみると,地域は分化と複合のたえざる運動を繰り返しつつ,みずからの構造を深化してゆくことがわかる.
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