抄録
本研究では,従来のロバスト設計手法であるタグチメソッドおよび中沢メソッドの理論的枠組みに着目しつつ,これらの限界を克服するための新たなアプローチとして,モンテカルロ確率論的最適化法(MOST)をロバスト設計に応用し,その有効性を検証した。このMOSTを,タグチメソッドに基づく電子回路設計問題へ応用し,S/N比と平均性能に基づく2段階の設計戦略と整合性を持つ結果が得られることを示した。さらに,出力とコストに対する誤差を統合したトータル誤差最小化という多目的視点からのロバスト設計問題にMOSTを適用し,ノイズ条件下においても高い性能安定性が維持されることを確認した。これにより,MOSTは,離散・連続・多目的最適化のいずれにも柔軟に適用可能な設計手法として,ロバスト設計の実用的展開を後押しするものであると位置づけられる。