抄録
仙台の都市地域の形成過程と,その結果としての現在の土地利用の特色を分析した.
仙台は城下町に起源を有し,藩政期には計画的な機能区分がなされた.明治初年,都心を中核とする旧町屋は存続したがジその周囲は空隙化し,縁辺部に寺社を残すのみとなった.明治後半から第2次世界大戦までの間,旧城下町の範囲で家屋充填が進み,その範囲を越えた施設は少数にすぎなかった.戦後,旧城下町の輪郭を越えて市街が拡大し,また都心部では機能の高度化とともに景観も変化したが,都心の周囲には戦前までに形成された住宅密集地帯が残っている.現在の都市地域は形成時期を異にする種々の機能を持つ地区から成るが,総体的には比較的単純な地域構造を持っている.このことは,仙台が封建都市から地方中心の機能を持つ諸機関の集中した都市ぺと発展したことと深く関係している.