侵蝕地形の開析度またはステージを定量的に表現する目的で,多田 (1934) の起伏量図を改良したHRT (起伏量)ダイアグラムを考案した.これは山頂高度,谷底高度,起伏量を原面と基準面の高度差(可能起伏)に対する比であらわし,三角ダイアグラム上にプロットしたものである.このとき,ダイアグラムの底辺の目盛りが相対的時間(開析度)を与える.加古川東岸の丘陵地に対してこれを適用したところ,丘陵地の開析度は0.2~0.3であること,丘陵地の周辺部で開析が進んでいることが明らかとなった.さらに,明美面の時代を20~40万年前として,丘陵地の侵蝕速度についても考察を試みたところ,平均侵蝕深として0.08mm/年が得られた.