抄録
既に数回行なった日本の豪雨についての報告につづいて本文では季節的区分による豪雨型の分布をさらに日本全体にまでおよぼした結果,その大部分が台風季型または混合型あるいは漸移型によってしめられ,後者の中には台風性のものも含んでいるので結局日本の豪雨は台風によるものが主要部分をなし,一部の地方に梅雨性のものがみられることを明らかにした.また1970年までの70年間について主要地点における異常豪雨回数の経年変化を求めた結果,全般的には有意的な増加の傾向にあるという興味ある結果が得られ,その原因は必ずしも人口の集中や情報伝達手段の急速化などの人為的なものでなく,とくに台風襲来数とかなり密接な関係があることを知った.
ただし台風による雨の量はその年の年総量に対しては15%以下の場合が多く,したがって年降水量に対する台風の寄与率は小さい.その結果として,地域的にも経年的にも豪雨回数と年降水量とは一般的に負の相関が認められる.これらの点について論述したい.