地理学評論
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水質汚染が水面蒸発におよぼす影響についての予察的研究
安部 喜也
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1972 年 45 巻 2 号 p. 88-92

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抄録
いろいろな排水で汚染された湖沼や海面からの蒸発速度が汚染のためどのような影響をうけるものか,その可能性および関連する因子についてあきらかにするため,ポット試験法によって汚染をうけてない水からの蒸発の場合と比較を試みた.その結果,一般に日射の影響のない場合には汚染物質濃度の高い場合には蒸発は抑制されるが.日射の吸収がいちじるしい着色物質やけんだく物質の多い場合には表面水温の上昇がみられ,蒸発速度は増加する.またとくに油膜によって水面がおおわれると蒸発速度はいちじるしく減少し,このことは将来,油による汚染が広い海面におよんだ場合に,いろいろな気候的な変化を起す可能性を示唆するものである.
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