抄録
長野盆地のリンゴ産業における諸活動を体系的に把握するため, areal functional organizationの考え方を適用し,リンゴ産業における諸機能単位の性格とその階層構成を明らかにした.
長野盆地のリンゴ生産地域は戦後急速に拡大したが,各農家の経営規模は零細である。各農家はリンゴ生産向上のため各種の共同組織を成立させてきた.すなわち共同防除組合は防除効果の向上,労働力不足の解消等のため部落単位で結成された.共同灌水組合は皐害対策のため部落単位で結成された.共同出荷組合は流通機構の整備に伴い,リンゴを有利に販売するために部落あるいは旧市町村単位で結成された。農協はリンゴ生産農家および各種組織への指導を行なっている.そして経済連・信連は農協を通じてリンゴの生産指導,販売指導および金融事務を行なっており管理的色彩が強い.筆者はこれらの組織の階層構成としてリンゴ生産に直接たずさわるリンゴ生産農家を第1次,リンゴ生産農家が生産面において連合して成立した共同防除組合および共同灌水組合を準第2次,販売面においてリンゴ生産農家が連合した共同出荷組合を第2次,さらにリンゴ生産農家や共同防除組合・共同灌水組合・共同出荷組合に対し直接指導を行なう農協を第3次,そして農協を組合員として成立する経済連・信連を第4次と考える。上位の機能単位は下位の機能単位を包含した形で成立しており,いわゆるピラミッド状構成を示す。