抄録
東アジア・オセアニアを中心とする世界図(以下アジア・太平洋型世界図とよぶ)について考察し,つぎの諸点を明らかにした.
1) 従来のアジア・太平洋型世界図にみられる辺縁部の著しい歪みは,諸大陸の配置が求心的なヨーロッパ・アフリカを中心とする世界図のために作成された図法を移入した結果,もたらされたものである.
2) アジア・太平洋型世界図に用いる図法には,その遠心的大陸配置を考慮して,歪みの良好な部分をできるだけ拡散させることが望ましいという観点に立って,経線を楕円とする新しい正積図法を作成した.
3) 新しく作成された図法は,図の4隅の利用を通じて,地表が連続面であることが,2つの図法の接合を通じて,南北両半球の大陸配置が不均衡であることが表現上考慮されている点で,従来の正積図法との間に質的差異を生じている.
4) 楕円図法の投影式における定数の間に,一定の関係があることを指摘し,これを使って,同図法を体系的に説明することを試みた.