地理学評論
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奥能登における織布業の創設とその背景 (2)—経営戦略の地域性と地域政策の経済的背景—
合田 昭二竹田 秀輝青野 寿彦奥山 好男
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1974 年 47 巻 9 号 p. 557-584

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抄録
奥能登における織布業の創設は,商社の主導のもとにおこなわれている.そのさい,県の織布業創設事業を全面的に利用する商社,市町村の織布業に関する独自の措置に依存する商社,あるいはこれらにかかわらず機業家を創設・獲得しようとする商社など,さまざまの経営戦略が地域をいうどっている.
他方, 1社に地域独占させる市町村,複数の商社に競争させる市町村,独占と競争を共存させる市町村,というように経営と政策の関係もまた多様である.
県のおこなう織布業創設事業は,後進空白地域である奥能登に新規産業を創設し,そこに保守政治の新たな基盤を育成しようとするものである.当然,先進開発地域である加賀の既成の基盤から反発が生じる.
県議会における抵抗をおしきって実:施された県の政策は,石川県産地における垂直的結合の頂点である商社と,その背後にひかえている金融機関の戦略を反映したものである.
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